どうもこんにちは、ビジネス系Youtube動画が大好き!
工事責任者のタケナカです。
LED照明は省エネで寿命が長いことから、蛍光灯などの従来の照明から切り替わる形で近年広く普及しています。
そこで、従来の照明をLED照明に替えるに当たっては、
「照明器具そのものを取替える」「ランプのみLEDランプに交換する」
など、複数の選択肢があります。そうした中、最近増えているのが
LEDランプを本来使用してはならない従来の照明器具に取り付けて、発煙・発火する
などの事故です。
今回はLED照明の中でも特に事故の多い直管LEDランプについて、電気工事士でもあるタケナカが解説していきたいと思います。
ではさっそく行きましょう!
1. LED照明とは
LEDと言う言葉は Light Emitting Diode の略で、日本では発光ダイオードと呼ばれています。
発光ダイオードは、電気を流すと発光する性質を持っている半導体のことで、この発光ダイオードを光源として利用してLED照明が作られています。
また大きな特徴としてLEDは直流で点灯することから、家庭や店舗に供給されている交流電源を直流電源に変換する必要があります。この電流の変換の役割を担う制御装置はLEDランプ内に内蔵されていたり、外付けされていたりする場合があります。
2. 事故件数
消費者庁の事故情報データバンクにはLED照明に関する事故情報が平成21年9月から平成31年3月10日までに328件寄せられています。
その内、火災に繋がったのは10年間で23件ありました。

LED照明による事故 年度別の推移
3. 実際の事故例と未然に防ぐためのアドバイス
蛍光灯器具には安定器が必要であり、ネットや家電量販店で販売しているいわゆる「工事不要の直管LED」というのは安定器をバイパス工事しなくても使用できるという商品です。
一見、手間も少なく簡単に取り替えられそうに感じます。
しかし!!
適合していない商品を購入して使用すると不点灯、発煙、発火など重大事故に繋がる可能性があります。
しかも「工事不要の直管LED」は安定器が寿命になると点灯しなくなります。
安定器の寿命は一般的に5年~7年と言われています。
一方、直管LEDの設計寿命については約40000時間なので一日10時間点灯で4000日。約10年以上もつはずです。
安定器 | 直管LED |
5年~7年 | 10年以上 |
つまり実際のところLEDそのものよりも安定器方が寿命を早く迎えることになり、結局は
安定器の寿命分の時間しか点灯しなくなる
という事です。
しかもその安定器は今まで普通の蛍光灯を使用していたわけなので新品ではありません。
さてでは前述した事故に関しても、実際に例をあげ解説をしていきます。
いずれも「工事不要の直管LED」をネット販売で購入し、間違って使用した為に火災に繋がったケースです。
一時的な購入価格が安くついたとしても結果的に大きな損をしてしまう可能性が高くなり、タケナカとしては全くオススメ出来ません!!!
まずは事故例を見ていくにあたり、蛍光灯安定器には下記の3種類がある。ということを頭に入れておいてください。
ケース①
<事象>
ネット販売で購入した直管LEDランプの電源基盤部分から発火し、口金樹脂及び樹脂カバーが溶融した。
<原因>
使用者自身が取り付けを実施。既設ランプがラピッドスタート形であったことから、既設安定器もラピッド式と勘違いし、ラピッド器具専用の直管LEDランプを購入し、誤使用に至ったと推定される。
<事故を未然に防ぐアドバイス>
既設安定器が半導体式であることに気付くには、天井に取り付けられた既設器具に銘板を判読する必要があった。もし家電量販店やネット販売などで購入する場合は必ず既設器具内の安定器がどのタイプに属するのか確認してから購入しよう。
判断に迷う場合は安易に取り付けるのは止めて、必ず知識のある人に判断してもらってから使用するように心がけなければいけない。
ケース②
<事象>
ネット販売で購入した直管LEDランプのスイッチング回路側の回路基板が焼傷し、口金樹脂及び樹脂カバーが溶融した。
<原因>
使用者自身が取り付けを実施。ラピッド式器具専用の直管LEDランプがスタータ式器具に誤使用された。
ランプ取り付けに当たって、既設器具を十分に確認せずに誤使用に至ったと推定される。
<事故を未然に防ぐアドバイス>
ラピッド式かグロー式かの判断はグロー球が付いているかどうかで判断できるが、確実な方法はやはり既設器具の銘板を判読する必要がある。ケース① 同様に判断に迷う場合は安易に取り付けるのは止めて、必ず知識のある人に判断してもらってから使用するように心がけよう。
4. まとめ
結論としては直管蛍光灯をLEDランプにするためには下記2点がタケナカからのオススメです。
(その1)照明器具ごとLED器具へ交換する
これはパナソニック、東芝、三菱など大手メーカーがそれぞれ独自のLED器具を販売しています。
(その2)バイパス工事をして直管LEDランプへ交換する

(バイパス工事の図) 厳密には両側給電方式は図以外にもほか数種類あります
バイパス工事には大きく分けると
-
- 片側給電方式
- 両側給電方式
の2種類あります。
それぞれ使用する直管LEDランプによって工事方法が変わります。取替工事は電気工事士でないと出来ないので注意が必要です。
照明器具を改造することになるので本来のメーカーからの保証は受けられなくなりますが、
一番の不安要素である安定器を回路から切り離すので安心して使用できるようになります。
ちなみに現在一番多く流通している製品は、価格を抑える事が出来るという点からほとんどが片側給電方式のものとなっています。(弊社で承る場合も、片側給電方式のみの対応とさせて頂いております)
ではまた次回お会いしましょう!
See you next time!
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