照明の商品について調べていると、「カンデラ」という単語を目にすることがあります。光に関する何かを表す単位であることはわかっても、一体何を表しているのかはわかりにくいかもしれません。
本記事ではそんな「カンデラ」について簡潔に説明をしてみたいと思います。
光度(cd カンデラ)とは何か
カンデラを説明するためのキーワードは “光の方向” です。
最近のLED照明などでは横から見ると、明かりがついているかどうかわかりにくいものがあります。その一方で、真下だけ煌々と照らす街路灯なども街中では散見されますね。
LED照明の中には方向によって光の強さが異なるものがあり、横から見ると照明の光がほとんど目に入ってこなかったり、あるいは下から見上げたときに照明の光のそのほとんどが入ってくるように見えたりします。
このため、先に挙げた例のようにどこから見るかによって光の届き方が全く異なるような照明が見かけられるわけですね。
このように、照明はその光が出る方向も大切な要素となります。
ダウンライトやスポットライトはこの光の方向が重要な照明の代表例です。
これらの照明は、おもに照明の前方に集中して光が出るように出来ています。そして、光の出る前方からずれていくとだんだんと暗くなっていきます。
こうした光の指向性は、アーティストにだけ注目して光を当てるなど、照明演出には肝になる部分でしょう。
そこで人々は「照明から出る光のうち、ある方向への光の量」に注目しました。これを光度といい、カンデラ(cd)で表します。
カンデラの値の求め方
それでは、「ある方向への光の量」はどのようにしたら求めることができるでしょうか。
方向は角度で表すことができます。たとえば、”北から30°の方向” などです。そこで、ある方向への角度あたりの光 に注目します。平面であれば、角度1°あたりの光の量に注目するのです。
照明などから出る、人間が感じる光の量は「光束」なので、ある方向への角度あたりの光の量については、以下の式で求めることができます。
光度(cd カンデラ)= 光束(lm ルーメン)÷ 光が当たった角度
さて、ここでひとつ注意しなくてはならないことがあります。
ここで私たちは30°や直角といった角度を連想しがちですが、それらは平面角といい、私たちが住んでいる世界(空間)では使うことができません。
そこで、この式では空間の角度である「立体角」を使います。立体角の単位は「ステアラジアン」と言います。
この立体角1`ステアラジアンあたりの光の量を光度といい、単位をカンデラで表します。こうすれば “下向きの光は明るい” という空間情報を数値で表すことができるのです。
光度と輝度
光度とよく似た言葉に「輝度」というものがあります。これら二つの単位の違いは何でしょうか。
光度と輝度の違いはシンプルで、”光源の面積に依存しているかどうか” です。
ざっくりといってしまえば、豆電球の説明に使うのが光度、モニターの説明で使われるのが輝度です。これだけでもある程度直感的に伝わったのではないかと思います。
一般的に光度はLED電球など、点光源と想定される照明の明るさを表すのに対し、輝度は発光源に面積を持つディスプレイなどの明るさを表すときに利用されます。
光源に広さがある場合、広ければ広いほど当然明るくなります。それを示したのが輝度というわけですね。
光度の単位を面積で割っているため、輝度の単位は cd/㎡ です。光度と輝度の違いを理解すれば、照明への知識が一層深まるのではないでしょうか。
まとめ
- 光度(cd カンデラ)とは、照明から出る光のうち一定の角度(1`ステアラジアン)あたりの光の量のこと
- 光度(cd カンデラ)= 光束(lm ルーメン)÷ 光が当たった角度
- 光度と輝度の違いは “面積に依存しているかどうか”
- 輝度の単位は cd/㎡
ちなみに「カンデラ」はラテン語でろうそくを意味しています。そう、英語のキャンドルと同じ語源の言葉です。
さらに豆知識として、1cdは一般的なろうそく1本の明るさとほぼ同じとなっています。語源も併せて覚えておくと、忘れにくいかもしれませんね。
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